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PISA 2006 結果から ⑥ポジティブなフィンランド
- 2007-12-19 (水)
- PISA
PISAで安定した順位にあるフィンランド。
以前に書いた各国のメディア反応に比べて、とてもポジティブた。
例えば、以下のサイト。
http://www.pisa2006.helsinki.fi/index.htm
政府が公開している特設サイトだろうが、いきなり
Welcome to the Finnish PISA 2006 pages!
の文言が。。。 PISA結果がなぜよかったのか、フィンランドの教育システムも含めて
「どうぞ、みてください♪」
と言わんばかりに書かれている。たとえば。。。
○フィンランドの教育システムでキー(教育方針)となっているのは、
Information society (情報社会)
Teaching of mathematics and natural sciences (数学と自然科学の授業<教授>)
Language teaching and internationalization (言語教授と国際化)
Raising the quality and level of education (教育の質とレベルの向上)
Cooperation between education and working life (教育と実社会の協調)
Basic and in-service training of teachers (先生の基礎研修と実地研修)
Lifelong learning(生涯教育)
(Educational system: background information のページより。)
○先生の質が高いのは、
クラス担当の先生は教育学(Education)の修士をもっていて、教授法(Pedagogics)を主要としている。
それに対して、教科担当の先生は担当する教科の修士をもっている(例えば、数学なら数学の修士)。
と記されている。
そんな感じで、とにかく ポジティブに明るくオープンに書かれてあるのが読んでいて楽しい。
日本も含めて、いいところをほめるのも見習うべきではないだろうか。
ちなみに、各年度の国別ランキングのページも掲載されている。 http://www.pisa2006.helsinki.fi/finland_pisa/results/results.htm
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PISA 2006 結果から ⑤2009年のPISAでは — ICT literacy (2)—
- 2007-12-11 (火)
- PISA
PISA による ICT literacy は以下のように定義されている。
ICT literacy is the interest, attitude, and ability of individuals
to appropriately use digital technology and communication
tools to access, manage, integrate, and evaluate information,
construct new knowledge, and communicate with others in
order to participate effectively in society.
要は
社会に参加し他人とうまくやっていくために、デジタルテクノロジーと(デジタル)コミュニケーションツールをうまく使いこなせるか。
であろう。(もちろん、意訳なので正確には上記を参照)。
まとめてしまうと、ごくごくあたりまえなのだが、しっかりとマトリクスでICT literacy に内包されていること・視点を明確にしている。

(Feasibility Study for the PISA ICT Literacy Assessment より作成)
上記のように、5つの項目と6つの視点から成り立っている(ただし、全項目を行うということではない)。
文字ばかりが並んでイメージしにくいと思うが、
たとえば、Simulation task(シミュレーション タスク)は以下のよう。

(Feasibility Study for the PISA ICT Literacy Assessment より)
画面の詳細があるわけではないので、ある程度の推測になるが、
イースト菌を発酵させるのにどのくらいの二酸化炭素が排出されるのか、
ソフト上の数字を変えてその結果からわかること
に対して、選択肢で答えるような感じだ。
そのほか、イーメールにしろ、データベースにしろ、実生活において役立つツールをどのように使いこなしているか。
ICT literacy を測ろうとするのは、それが実生活に必須な時代に入った証明であろう。
だが、子どもたちのほうが私たちよりすんなりそれらを使いこなしていることは明らか。
そういう意味では、PISAの行おうとしている ICT literacy は私たち大人の方に役立つのかもしれない。
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PISA 2006 結果から ④2009年のPISAでは — ICT literacy (1)—
- 2007-12-10 (月)
- PISA
ご存知のように、PISAは3分野での調査を主体としているが、
主要分野(1分野)とそのほかの分野(2分野)
という実施スタイルをとっている。
今回の主要分野は「科学的応用力(Scientific literacy」で、そのほかの分野が「読解力(Reading literacy)」と「数学的応用力(Mathematical literacy)」になる。
今までの主要分野は、
2000年 「読解力(Reading literacy)」
2003年 「数学的応用力(Mathematical literacy)」
2006年 「科学的応用力(Scientific literacy」
ということで、2009年のPISA主要分野は一巡して、「読解力(Reading literacy)」になる。
そして、2009年に実施が決定している新しい分野がある。
「ICT(Information and Communication Technology) literacy」 だ。
ビジネスの世界では、だいぶ定着してきた 「ICT」 という言葉。
今まで使われてきた 「IT」 という言葉はいわば、インフラであり作業効率を高めるという意味合いが強い。
それに対してICTは、ネットワーク上の仮想空間内で発生する様々なビジネスやコミュニティーや新しい価値観、ライフスタイルなど、創造されるコミュニケーションに重点をおいたもの (と私は考えている)。
その基本的なリテラシーをどういうふうに評価していくのかにはけっこう、興味津々だ。
もっとも、今の子どもたちのほうが圧倒的にITの世界には慣れているのだから、大人が評価するというのもなんだかなぁという気もする。
あと、日本の若い人たちの携帯文化が他の国々と比べてどうなのかというところはとても興味がある。
※
2003年に実施された「問題解決能力(Problem Solving)」という、いわば3分野を横断した4番目の分野実施に関しては、今は未定のよう。
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PISA 2006 結果から ③フィンランド訪問記
- 2007-12-07 (金)
- PISA
実は、前回のPISAで注目されたフィンランドを2005年に訪れた。
その訪問記がまだ残っている。
フィンランドでトップクラスのルソー高等学校への訪問を含め、さまざまな視点で思うがまま書き綴ったものだ。
§2 読書×図書館×読解力!?
§3 日本語×言語×読解力!?
§4 文字×互換×読解力!?
§5 評価×ヘーゲル×読解力!?
§6マンガ×興味×読解力!?
§7 選択×学習×コミュニティーカレッジ!?
§8 未来×先進国×オルタナティブ!?
§9 ネット×携帯×ボーダレス!?
今、読み返してみると、世間での「読解力」への考え方が「文章読解力」からだいぶ脱却したように思える。
当時はどんなに力説しても、「所詮は文章読解力でしょ」という空気が漂っていたのだから。
ただ、いまだ新しい学力観を形成するのにまだ先は長い。
たとえば、「脱一答主義」のヒントとして上の§5でも書いたヘーゲルと読解力の関係に注目するのもいいのではないだろうか。
※各タイトルは「ハンター×ハンター」を真似てつけたもの(笑
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PISA 2006 結果から ②世界の反応
- 2007-12-06 (木)
- PISA
各国のメディアを眺めてみると。。。
UK schools slip down global table (イギリス BBC)
Brightest pupils falling behind world (オーストラリア The Australian)
Teens haven’t improved math, reading scores (カナダ Globe and Mail)
US Students Do Worse in Science and Math (アメリカ Newyork Times)
NZ kids among smartest but reading a concern (ニュージーランド NZHerald)
高1の読解能力、国際学習到達度調査で1位に (韓国 ヨンハップニュース)
香港とか台湾も眺めてみたのですが、英語でないとやっぱきついですね(笑)
さて、記事のタイトルを見ていただくと韓国を除いて、どこも 「ほめてない」ことがわかる。
カナダはメインの科学的応用力では躍進しているのに、その他の分野がだめだとか、
ニュージーランドも全体としては悪くないのに、まだまだのような。
韓国もタイトルとは裏腹に科学的応用力に関しては、力を入れていかねばならないと。
つまり、世界で競っている状況下で良いところを見てほめることが、記事としては成り立ちにくいのではないだろうか。
だから、ネガティブな報道がされているのは何も日本だけではなく、他の国々も色々な事情があって似たりよったりの空気感をかもし出しているのでは。
そういう意味では、日本の教育がもっている強みと弱みをしっかりと見定め、良いところは良いと自信をもって言いきる姿勢も必要ではないだろうか。
参考
過去記事
ニンテンドーDSで「進研ゼミ」 。。。 どんどん進む、日本発の学習スタイル
過去エッセイ
§42 21世紀の学習スタイル -DS と Wii そして ネットワーク (1)-
§43 21世紀の学習スタイル -DS と Wii そして ネットワーク (2)-
§44 21世紀の学習スタイル -DS と Wii そして ネットワーク (3)-
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PISA 2006 結果から ①大学入試が変わらねば
- 2007-12-05 (水)
- PISA
今日の一面はどこの新聞も予想通りPISAが大きく取り上げられている。
大まかに見ている最中だが、有識者や現場の方々の意見はある程度一致しているようにも思える。
○読み書き計算という古い学力観 → 「正解が一つ」という一答主義 → 学んだことが世の中の動きにつながっていない
○学校の評価は進学実績が大半 → 大学入試やセンター試験にあわせた学習 → 大学入試の問いがPISA型ではない
ざっとみたところではこの2つに集約できそうだ。
「授業が学びの意欲を引き出すふうにあらねば」
「興味をひきつける工夫が必要なのでは」
こんな意見も多いが、どんなに小学校・中学校・高校で工夫や授業を充実しても、それが最終的には大学合格につながっていなければ評価されないという現実もある。
ということは、実は、大学入試の質が危機的状態にあるのではないだろうか。
今回、読解力1位になった韓国では大学入試で論述型が導入されるようになり、PISA型と同傾向だとか。それに対応するように学校や塾での論述対策と読書奨励が呼応したのだから、読解力が強化されたことはいうまでもない。
じつは、私の本のなかでも、「大学入試が変わらなければ」的な話は書いている。
要は問題作成者側の意識が、同学年に人口が多かった昔の感覚、すなわち熾烈な「競争と選抜」が強いられた時代のままだったら、それこそまずいということだ。
国内だけを視野に入れて「競争」と言っているのであれば、世界からおいてけぼりをくうのは自明の理だろう。
大学だけがすべてでないのは重々承知しているが、それでも世間の一定の評価がそこにあり、メディアでもその先の就職に絡んで大学を評価づけしている。よって、無視はできないと思うのだが。
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日本語資料がけっこうありますね。
- 2007-12-04 (火)
- PISA
なんだか、今回は最初から日本語資料が多いですね。
OECD東京センターのページより
・事務総長スピーチ
・結果発表
・報告書サマリー
・日本に関する資料
・パワーポイントプレゼンテーション
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PISA 2006年度 ランキング発表!! 第三弾
PISA 2006 Science Competencies for Tomorrow’s World より、国別ランキング表を作成してみました。

※( )内の順位は2003年度の結果から。ないものは、基準を満たしてなかったか、参加していなかったか。
というわけで、フィンランドはあいかわらず、安定している。
韓国はついに読解力1位に。ただ、科学的応用力は11位とずいぶん順位を落としているので、今後は科学に力を入れていくのは必至。
そうすると理系分野の「人材力」が強化されるわけだから、サムスンのような大企業だけでなく、ベンチャー系のIT企業もどんどん強みをます。また、中国でいう「海亀派」のような留学戻り組と海外残留組のの連携力はひとつの強みになるだろうなぁ。
それでなくとも、最近、韓国は投資対象になっているようだし。
台湾は今回が初参加にも関わらず、科学的応用力と数学的応用力で上位に。理系に強いことが鮮明に。
参加国の推移をまだしっかりと見ていないのでなんとも言えないけど、やっぱりアジアが勢いあるのを証明しているような気が。
オーストラリアとニュージーランドは前回に比べて下降と上昇が鮮明になったけど、そこまでnational curriculumに差があったように思えないのだが。。。 もしかしたらニュージーランドは小学生からでも留学生の受け入れ態勢が出来ているので、そのまま移民した学生とかが多いのかな?(他国で生きていく場合に、学業で優秀なことは武器になるので、必然的に成績は高い場合が多いかと)
カナダも科学的応用力では躍進。2003年の結果公表後、メディアでけっこう報じられていたから何がしかの改革を行ったのか。
とにもかくにも、各国のメディアが今回の結果を受けてどのような報道をするのか。とても楽しみなところ。
関連リンク
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PISA 2006年度 ランキング発表!! 第二弾
ついに、全貌が明かされた2006年度の結果。
結果は以下のよう。
| 実施年度 | 読解力 | 科学的応用力 | 数学的応用力 |
| 2006年 | 15位 | 6位 | 10位 |
| 2003年 | 14位 | 2位 | 6位 |
↑
なんか、うまく表の枠が表示されない(汗。 すいません、見にくくて。。。
それはさておき、結果的にはどのリテラシーでも順位を落としてしまっている。
これは、メディアで吹き荒れるだろうなぁ。。。
それにしても、台湾や韓国は大躍進て評価になるのかな?
そうすると、フィンランドメソッドのように、台湾や韓国の学習方法に関連する本がこれから出てきたりするのだろうか。
韓国といえば、
○生徒と先生の関係が良好(PISA2003の結果より)
○アメリカをはじめとした欧米の大学への進学があたりまえ(家族ごと移住するケースも日本に比べれば雲泥の差)
最低でも、そういう背景があることを認識したうえでメディアでは取り上げてほしい。
間違っても、熾烈な大学入試のための物量的勉強法にのみ注目するのはやめてほしいものだが。。。
とにもかくにも、詳細はこれから、これから。
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リテラシー は 「応用力」?
前回までは、
○「科学的リテラシー」
○「数学的リテラシー」
と訳されていたのに、今回、どのメディアでも
○「科学的応用力」
○「数学的応用力」
となっている。「読解力」にあわせた形にしたのだろう。
でも、英語では
Reading literacy
Mathematical literacy
Scientific literacy
なので、やっぱり違和感が残るけどなぁ。。。
すでに、「applied」という英語が「応用」と訳されていることが定着しているし。。。
こだわりすぎですか?
参考
applied area
応用分野
applied biology
応用生物学
applied biotechnology
応用バイオテクノロジー
applied botany
応用植物学
アルクの英辞郎より
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